。 松本氏: そっちの方向へ突き進むことになった転機は,「シャイニングフォース イクサ」での成功体験が大きいですね。 : どういうことですか? 松本氏: イクサに関してはいろいろエピソードがあるんですけど,その仕事を頂く前に,セガさんとは「アヴァロンの鍵2」という作品で少し関わらせてもらっていて。それが非常に良い評価をいただけて,「ファンタシースター ユニバース」や「戦場のヴァルキュリア」といった作品にも続けて参加できたんです。 : かなりの大型タイトルですね。 松本氏: イクサもその流れで参加したタイトルの1つだったのですが,我々は途中参加だったので,Diablo iii Gold,サブキャラクターのゲーム内モデルをすべて作るというのが主な仕事内容でした。恐竜やガイコツ戦士でしたけど,これがかなり格好良く仕上げられたんです,Cheap Diablo 3 Gold。それが一段落した頃,今度は「主人公の着せ替え用モデルを作りましょう」という話が上がってきたので,「着せ替えに合わせて,主人公のモデルも作り直していいですか」と提案してみたら,受け入れてもらえた。振り返って考えてみると,これがもの凄く大きかったですね。 : え,それは追加の予算をもらえたってことですか? 主人公のモデルを作り直すというのは,そう簡単な話でもありませんよね。 松本氏: いや,そこ(ギャラ)は据え置きだったんです(苦笑)。だけど,主人公ってやっぱりゲームの花形部分じゃないですか。だから,僕ら自身がその仕事をやりたかったんですよ。実際,作っていてとても楽しかったし。 : キャラクターデザインなんかもそうですが,誰もがやりたがるような仕事って,ただ待ってるだけでは請けられないものですよね。 松本氏: そのとおりですね。それに極端なことを言ってしまえば,僕たち(外注会社)は,基本的に余っている仕事をもらう立場なんです。手が足りないからオーダーが来るわけで,そのときに自分達のやりたいことと来た仕事が合致していなければ,それはただのお手伝いになってしまいます。 : 確かに。ざっくばらんに言ってしまうとそういうことかも。 松本氏: だから,やっぱりどこかで食いついていかないといけないし,やりたいことをやるための努力をしなくてはいけないと思うんです。それに,もう当時から台湾や中国に仕事を発注するというのは,ゲーム業界内で当たり前になっていたので,単純な背景や雑魚キャラの制作なんかは,海外のほうが圧倒的に安かった
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